第4幕 親衛隊長メーティスの試練
「なにぃ!発見できなかっただとぉ!」 ギガリアー国王は、たった今アマネニアから帰還した後続部隊の報告を受けて怒りを満面
に表して怒鳴った。

「は、はい。王宮の隅々、城内のありとあらゆる所をいくら探し回っても、財宝らしきものは一切見つけることができませんでした。」
報告に来た部隊長は恐る恐るそう答えた。
「誰も財宝の在り処を知らぬと言うのか?!」
「宮殿の女官や捕虜となった兵士たちを拷問しましたが白状するものはおらず、むしろ本当に知らないと言った方が正しいようで・・・・・」

「アマネニアに莫大な財宝が隠されていることは事実だ。だがそこまでしても発見できないということは、それだけ厳重に隠匿され
ているに違いない。裏返せば、想像を越える宝の山があるということだ!」
ギガリアーは憤ると同時に、ますます確信を強めた。
「やはりかくなる上は女王の側近に聞くしかないな。オイ、捕虜の中から隊長格の金髪女を連れてこい!」
しばらくして王の前に引き出されたのは、女王の親衛隊長を勤めるメーティスであった。
両手をうしろにしっかり縛られ、屈強な兵士たちに囲まれては、さすがの剣豪も抵抗することはできなかった。

ギガリアーは初めて見るアマゾネス四天王の一人をまじまじと見つめながら、
「おまえら親衛隊は女王に最も近い存在だ。ましてやその隊長がアマネニアの財宝の在り処を知らぬはずはなかろう!さあ、余に
教えるのじゃ。そうすれば決して悪いようにはせぬぞ。」 とまずは飴と鞭で切り出した。
「いかにも、私はアマネニア王国アレシア女王にお仕えする親衛隊隊長メーティスだ。アマネニアの財宝の在り処だと?あははは
私がおまえなどに教えると思っているのか?甘く見るなよ!」

「ほほぉ、なるほど、そう来たか。まあよい。仮におまえが話さなくとも、他の隊員たちが話してくれるかも知れぬしな。」
それを聞いたメーティスはやや表情を強張らせ、はっきりした口調で言い返した。
「財宝の在り処を知っているのは隊長たる私一人だ。他の隊員たちは一切知らされていない。どうしても知りたいなら、私を拷問する
がいい。だが、死んでも口を割る気はないことだけは言っておくぞ!」
これを聞いたギガリアーは半ば待っていたかのように、嬉々として兵士たちに向って命令した。
「この隊長殿を望みどおり拷問台に縛りつけてやれ!」

兵士たちは抵抗するメーティスを力づくで押さえ込み拷問台に手足を伸ばしてしっかりと縛りつけると、金属製の大小様々なベルト
状の器具を取り出してきて、身動きできないメーティスの両腕、両腿、そして胴回りに取り付けた。
さらに、同様の金属リング2つを大きく形の良い両乳房の根元に手際よくはめ込んだ。

すっかり用意が整うと、ギガリアーはメーティスの横に立ちその顔を見下ろして言った。
「死んでも口を割らないだと。ふふふ、残念だが、おまえには死ぬより苦しい目に遭わせてやる。これは“敗者のベルト”と言ってな、
余が考え出した実に面白い責め具じゃ。吐くなら早い方がいいぞ。ん?」
メーティスはこれから自分の身に起こる最悪の事態に覚悟を決めると目を固く閉ざし、とことん抵抗の意志を示した。

ギガリアーはそんなメーティスをじっと見つめながら、片手を挙げ振り下ろした。
拷問室の一角に待機していた兵士が、滑車に取り付けられた長い木の軸をググググッと押し倒す。
それにつれ、滑車に連動した鎖がガラガラと巻き上げられると、メーティスの体の各所に取り付けられたベルトが徐々に締まりはじめた。
兵士は一旦軸を起こすと再び力いっぱい押し倒す。何度もそれが繰り返されるうちに、どんどんベルトはメーティスの体に食い込んでいく。

ガラガラガラガラガラ・・・・・・ あ、あぁぁぁ・・・・うぅぅっ!ぐぅぅぅぅぅ・・・・・
メーティスの凛とした端正な顔が徐々に苦痛で歪み始める。
ガラガラガラガラガラ・・・・・・ベルトはなおも凄い力でメーティスの体を締め上げる。
見る見る圧迫された腕、足、胸が鬱血して紫色に変色していく。

うぐぐぐぐぐ・・・・・ メーティスの口から苦しそうな呻き声が漏れる。
「おい、構うことはない、どんどん締め上げるんだ!」
豊満な乳房の根元にはめられた金属リングは、乳房をねじ切るように引き締まり、おかげでメーティスの胸は異様なほどにパンパン
に膨らんでいく。
胴回りの太いベルトがもの凄い力でメーティスの腹部を締めつける。
メーティスは鍛え抜いた腹筋に力を込めてベルトの締め付けに抵抗したが、無情な機械の力の前では無力に等しかった。
メキッ!肋骨が音を立てて軋む。うわぁぁぁ!!! と思わずメーティスは声をあげた。

「どうだ、苦しかろう!さあ、言え!財宝の在り処を!」 ギガリアーが詰問する。
「うぅぅぅぅぅ・・・・・・、こ、殺すがいい!そうすれば誰も財宝の在り処はわからなくなる!さあ、殺せ!」 メーティスは叫んだ。
その時突然、部屋の一角から女性の甲高い声が響いた。
「はははははははははは・・・・・ 陛下、その女の言うことを信じてはなりませぬ!」
女はメーティスが縛り付けられている拷問台のそばまで寄って来てさらに言った。
「ギガリアー陛下。アマネニアの財宝の在り処はその女しか知らないというのは偽りでございます。財宝の隠し場所。そこを開く鍵の
在り処。鍵を開けるに必要な呪文。これらすべてがそろった時、はじめてアマネニアの財宝は姿を現します。そして親衛隊の一人
一人がその秘密を分散して教え込まれているのです。ですから彼女らの情報を一つに合わせればすべてが解明されるはず。」

その声の主の方を見たメーティスは驚きを隠せなかった。
「ぺ、ペイトーネ!やはり貴様か!よくも女王を、いや王国を裏切ったなっ!!」 苦痛に喘ぎながらメーティスは女を睨みつけた。
「ほほほほほ・・・・親衛隊長メーティス。お察しのとおり、アマネニアをザーニガンに売ったのはこの私よ。侍従長くらいの地位では
私は満足できなかった。ギガリアー陛下は私を高官に取り立てくれる約束をしてくれたわ。」 元アマネニアの侍従長ペイトーネは、
今となっては抵抗すらできない哀れな姿の親衛隊長に対し、勝ち誇ったように言った。
「ペイトーネよ、よくぞ言った。」ギガリアーはペイトーネの情報を喜ぶと、再びメーティスに向って尋ねた。
「財宝の在り処、鍵、呪文。おまえはいったいその中のどれを知っておるのだ!さあ、観念して白状するんだ!」
ベルトが一層きつくメーティスの胴を締め上げた。内臓が急激に圧迫される。
グァアァァァァァアァァァァアアアァァァアーーーーーッ!!!!
メーティスの悲鳴が部屋中にこだまする。

ペイトーネは激痛にのたうつメーティスの脇に立ち、これまで頭が上がらなかった存在への鬱憤を晴らすかのように、その胸をまさぐり
ながら言った。
「さあ、ギガリーア様に従うのよ!素直に白状すれば、命だけは助けていただいて私の奴隷として使ってあげるわ。どう?」
「く、くそぉーーーーーっ!!おまえのような裏切り者は地獄に堕ちろ!!」
「見上げた忠義心だこと。でも、こうなってはそれも何の役にも立たないわ。」
ペイトーネのいやらしい指先が見るも無残に膨張したメーティスの乳房の上にツンと勃った乳首をグリグリと責めあげる。

ギガリアーは兵士にさらに滑車を回すよう指示を出す。
ガラガラガラガラガラ・・・・・・もうこれ以上は無理なくらいまで鎖が巻き上げられる。
メキ、メキッ!バキンバキッ!!
ギ、ギャアァァァァァァァァァァアアァアァァアアアァァァーーーーーッ!!!!!!
耳をつんざくような絶叫とともに、凄まじいベルトの締め上げがメーティスの肋骨をへし折り、その内臓を圧し潰した。
ゴボッゴボゴボ・・・・ もがき苦しむメーティスの口から塊のような血が一気に吐き出される。

「ハァハァハァ・・・・ぜ、絶対・・・・教える・・・・ものか!!!」 血反吐を吐きながら、なおもメーティスは叫んだ。
「もっとだ!もっと巻き上げろ!」 ギガリアーもムキになって兵士を煽り立てる。
ググググググググ・・・・軸の棒も折れるそうなくらい力いっぱい兵士は滑車を回転させる。
ギリギリギリギリ・・・・ バキバキグキッ! ウォオオォォォォォォオオオォォォォオオオォォォーーー!!!
獣の雄叫びのような声をあげ、再び大量に血を吐きながらついにメーティスは悶絶した。
拷問台からはおびただしい血が絶え間なく滴り落ちていた。
「気を失いおったか。ふん、まあよい。情報源は他にもおる。」
ギガリアーはそう言うと、待機していた兵士に目配せをした。

獄舎に数人の兵士が現れ、セルケトの牢の扉を開いたのは、メーティスの断末魔の絶叫が響き渡って間もなくだった。
「出ろ!今度はおまえの番だ。」 兵士たちは引き締まったセルケトの褐色の肌をガッチリ摑むと、強引に牢から引き出した。
その様子を隣の牢から見つめていたシータの目には恐怖の色がありありと浮かんでいたが、そのシータに向って振り返ったセルケト
は不敵な笑みを浮かべ「私は負けない!」と言い残し、獄舎から連行されていった。

セルケトが獄舎の出口にさしかかった時、向うから血だらけになったメーティスの体が引きずられながら運ばれてきた。
セルケトは兵士たちに急かされながらもその正体のないメーティスの体を見つめ、「私は負けない。」と再度自分に言い聞かせるよう
に呟いた。

※この物語はすべてフィクションであり、登場人物および団体、地域、国家は実在しないものであります。